室温25℃まで温めるOMソーラーハウスを紹介します。

はじめに

OMソーラーは、建築家の奥村昭雄さんが考案した仕組みです。
太陽熱をそのまま利用するパッシブソーラーシステムです。
詳細は「OMソーラー」の公式ページを確認して下さい。
OMソーラーの歴史」についても確認して下さい。

室温25℃まで部屋を温めてくれます。

ヤモリの住む家の暖房は、OMソーラーと深夜電力の蓄熱機器を補助暖房として利用しています。
太陽の力は絶大で、今日(12/17)は室温を25℃まで温めてくれました。
※ OMソーラーは天気が良ければ、室温を思いのほか上昇させます。
※ 補助暖房は、朝晩が寒いので蓄熱した熱をファンで放出させています。昼間はファンは停止し自然放熱です。

※ 写真の説明(OMソーラー制御盤)

  室温:25℃
  棟温:53℃ … 屋根の集熱されている空気温度です。
  トリイレ:5 … ファンの速度(棟温により速度が調整されます)5は最大です。
           ファンで53℃に温められた空気を床下の土間コンクリートまで送りこんでいます。

OMソーラーハウスについて

  • OMソーラーハウスのイメージ図は、は「こちら」の公式ページを確認して下さい。
  • 屋根面で集熱します。
    太陽が昇り始めると、屋根面に設置された集熱パネルが太陽の熱で空気を温めます。
    ※ 自然エネルギーを最大限に活かす、太陽の熱をそのまま利用するパッシブソーラーシステムです。
  • 温めた空気を床下に送ります。
    集熱した暖かい空気をファンの力で床下に送り、土間コンクリートを温めると同時に、床下からの暖かい空気を部屋にも送ります。夜間は、昼間、土間コンクリートに蓄えた熱を放出して家全体を温めます。
    ※ 屋根全体に軒先から空気を吸い込む仕組みです。温めた空気はファンで床下へ送ります。
    ※ 施行する工務店によっては違いはあるかも知れませんが、原理は同じだと思います。
  • 夏場は?
    屋根全体に軒先から空気を吸い込んだ空気は、室内には取り込まず、そのまま外へ排出します。屋根全体に空気の層があり、常に屋根の空気が排出されます。そのおかげで室内の屋根の下は、暖かくなりにくいです。
    夏の夜間は、放射冷却により冷えた空気を室内の送り込み建物内を少しだけ涼しくします。
  • 給湯にも活用できます。
    太陽熱を給湯にも活用することで、ガスや電気を使わず効率的にお湯を確保できます。
    ※ ヤモリの住む家は、エコ給湯を利用しているので採用していません。
    ※ 今は、エコキュートとOMを利用したハイブリッドがあるようです。
  • 仕組みはシンプルです。
    屋根全体で集熱する。モータでファンを回わして床下に空気を送り込む。土間コンクリートに蓄熱する。ファンの近くに弁があり空気の流れを床や外へ制御盤で切り替えるような単純な仕組みです。(ヤモリの感想です)

OMソーラーハウスのメリット

  • 家の中の温度差が少ない。
    土間コンクリート全体に暖かい空気が循環して、各部屋の床を温めます。
    また、各部屋の吹き出し口からも温められた空気が吹き出します。
    ※ 棟温53℃の熱風が吹き出すわけではありません。
    ※ 土間コンクリートへの蓄熱、床を温めたりなどしています。
    ※ 余った熱は、吹き出し口から空気が吹き出ているってイメージです。
  • 2階は気になりますね。
    1階のリビングの吹き抜けから、温められた空気が2階にも流れていきます。
    2階は1階よりも、温度は2~3℃低くなる感じです。(天気が良い日)
    ※ OMソーラーハウスは、2階の部屋も全部屋、空気が行き渡るように密室の部屋ではありません。
    ※ ヤモリの住む家は、全部屋、2階の天井の一部はロフトで、後は、屋根の斜面が天井です。
  • 快適な室内環境です。
    太陽の力で温められる床や空気が家全体を包み込み、冬でも家中がほんのり暖かい状態に保たれます。
    夏は排熱システムで家の中のムッとする熱気を逃がし、風の流れをつくることで自然な涼しさを感じられます。

デメリット

  • 冬場に雪や雨などで、太陽光がないと寒いです。
    土間コンクリートに蓄熱されていることもあり、底冷えする感じはないのですが寒く補助暖房は必要です。
    ※ ヤモリの住む家は、補助暖房の電気蓄熱暖房を併用してます。
    ※ 震災以降、電気代が何倍にも高騰しているのでフルに使えないです。壊れたら考えます。
  • 空気が乾燥しています。
    乾燥している空気を温めているので、さらに乾燥しているかも知れません。
    ※ 加湿器を入れています。
  • 暑すぎて窓を開けることもあります。
    このあたりの温度調整は難しいです。

あとがき

OMソーラーを導入するには初期コストが必要です。太陽光発電パネルと同じくらいの費用が必要かもしれません。また、既存の住宅にOMソーラーを後から導入も厳しいかも知れません。(確認したことがないのでわかりません)

住んでいる地域や環境により、別途、補助暖房や冷房など必要になります。

屋根の集熱できる面積をもっと大きくすればよかったかなと思いました。何軒かのOMソーラーハウスを見学したのですが、1軒片面の屋根が大きいのがありました。ロフトで作業スペースを広くするために片面を高くしているのかと思っていました。よくよく考えたら、集熱の能力が違いますね。

OMソーラー協会に加入している工務店で建てられます。工務店が建てる家は、ハウスメーカーとは違ったなかなか興味深い家を建ててくれ魅力的な選択肢かと思います。ただし、工務店が廃業してしまうリスクもあります。