自作PCのCPUをアップグレードします。(Ryzen5 5600x→Ryzen9 5900x)

はじめに

自作PCを約3年前にリプレースしました。予算はケースを含めて10万円以下でした。

  • マザーボード:ASRock B550M PG RIPTIDE
  • CPU:Ryzen 5 5600X
  • メモリ:16GB×2(計32GB、DDR4)
  • M.2 SSD:1TB
  • グラフィックカード:ASRock RADEON RX5500XT(中古)
  • 電源:500W
  • ケース:ミニタワー
  • ファン:6個(CPUクーラー含む)
  • OS:Windows 11 Pro(手持ちのライセンスを使用) ※ 中古品を含む構成

私はゲームはしません。 グラフィックカードは、4K解像度で4画面表示が可能な中古品を購入しました。 CPUは当初Ryzen 7も検討しましたが、予算の都合でRyzen 5を選択しました。現在、Ryzen 5でも普段使いで不便を感じることはありません。

CPUのアップグレードを検討した理由は、特定のオンラインアプリケーションで、4画面に多数のウィンドウを開くと処理や更新が遅く感じたためです。この問題を解決したかったのですが、PC以外の要因の可能性もあります。現在、そのオンラインアプリケーションは諸事情により使用していません。CPUをアップグレードしたら再度利用してみようと考えています。

次世代のCPUも検討しましたが、CPUだけでなくマザーボードやメモリも交換する必要があり、コストがかかります。そのため、CPUのみの交換が最適と判断しました。2年後にはAI対応のCPUがさらに進化している可能性があるため、そのタイミングでリプレースを検討しています。

備忘録

今回の作業を備忘録として記載します。
 HDD/SDDをBitLockerで暗号化している場合は解除してからの作業をおすすめします。

PCのデータをバックします。

OSやアプリケーションは再インストールで復元できますが、個人の大切なデータの損失は取り返しがつきません。
データをNASなどの外部記憶装置やクラウドにバックアップしてください。

CPU-Z(無料のユーティリティツール)をインストールしましょう
  • 今回の作業に必要なPCのハードウェア情報などを詳細に確認できます。
  • CPU : 現在搭載されているCPU名やリビジョンを確認します。
  • マザーボード : Versionを確認します。
CPU購入前
ASRockのサポートページにアクセスして(B550M PG RIPTIDE)CPUサポート情報を確認します。
  • CPUサポート一覧の「ryzen9 5900X」で以下を確認しました。
  • CPUのリビジョン : B2
  • 対応する BIOS バージョン : ALL
  • 対応しているCPUを購入します。
BIOSのバージョンアップを行います。
「ALL」なので現状のバージョンでも良いのですが、この機会にアップデートすることにしました。
※ HDD/SDDをBitLockerで暗号化している場合は、BitLocker回復キーが必要になります。
  • CPU-ZでBIOSのバージョンを確認すると、P1.20です。
  • 最新のBataでないBIOSを確認すると、P3.40でしたので、こちらをダウンロードします。
    ※ Bata版が、P3.41、P3.46、P3.61と3個ありました。P3.41は、P3.40の不具合対策か?と気になりますね。
    念のため、不具合があった場合に現在のBIOSに戻せるようにP1.2もダウンロードしておきます。
  • 「Sinkclose」などの脆弱性が報告(CVE-2023-31315)があり、B2リビジョンでも影響を受ける可能性があるようです。
    2024年10月以降のBIOSならAMDのマイクロコードパッチを適用されているようです。
    「P3.61のBata」版が、公開されています。今回はBata版なので見送りました。
  • ダウンロードしたファイルを解凍して外付けUSB(FAT)メモリにコピーします。
  • PCを再起動してF2キーでBIOS画面に入ります。(USBメモリも挿入しています)
  • BIOS画面が起動したら、「tool」→「Instant Flash」を選択します。
    ポップアップ画面がひらきUSBメモリに保存されたBIOSのバージョンが表示されますので実行します。
  • BIOSのアップデートが終わると再起動します。
  • 再起動中に「BitLocker回復キー」が必要となります。
    ※ 想定してなかったので、BitLocker回復キーを探しました。印刷を保管していました。
  • 無事起動したので、CPU-Zで、BIOSのバージョンを確認すると「P3.40」に更新されていました。
    ※ バージョンアップ後の起動時に「F2」でBIOS画面で確認するのが正規です。
CPU交換をします。
  • BIOSバージョンアップで少し、想定外のトラブルがあったので、交換手順をネットで調べます。
    ・BitLockerを解除する。
    ・fTPMを無効にする。
    などでした。
  • さらに調査をして、念のため実施しました。
    ・BitLockerは、BIOSの更新と同じように「BitLocker回復キー」が求められるのかも知れません?
     BitLockerを解除しました。
    ・fTPMは、最新のBIOSだと問題ないようですが、P3.40は、対応してないかもしれません。
     こちらも、BIOSで無効にしました。
  • CPU交換を行い電源を入れると、メッセージが表示されました。「y」キーで正常に起動しました。
    「n」キーだと起動せず同じメッセージが表示されました。
  • 起動したら、CPU-Zで確認します。Ryzen9 5900X 12Core24Threadsを確認
  • BitLockerを有効に戻しました。

あとがき

以前、マザーボードのファームウェア更新やRyzen CPUの交換を行ったことがありますが、今回のようなトラブルに遭遇した記憶はありません。最近はセキュリティ関連の問題が影響しているのかもしれません。
昔使用していたもう一台の自作PCは、Ryzen 5 2600を搭載していましたが、現在はRyzen 5 5600Gに換装しています。このPCのマザーボードはB450Mチップセットを採用しています。
最近、Ryzen 9 3900Xや3950Xの中古価格が下がってきたので、これらを入手してPCの延命を図ろうと考えています。